業種別活用

卸売・商社の生成AI活用。
提案・対応・在庫管理を効率化

卸売・商社で生成AI(Claude)を業務に活かす方法を解説。提案資料づくり、問い合わせ対応、在庫データの整理などの具体的な活用シーンと、始め方・注意点をまとめました。

取引先は数百社、商品は数千点——卸売・商社は、提案資料づくりと問い合わせ対応に一日が溶けていく業種です。生成AI(Claude など)を使えば、相手に合わせた提案文も、山のような問い合わせ返信も、数分で下書きが用意できます。

この記事では、卸売・商社で生成AIを使って「何ができて」「どんなものが作れて」「どんな順序で作るか」を、プロンプト例つきで具体的に紹介します。

具体例に入る前に、まずは「どれくらい変わるのか」のイメージから。

提案資料づくり
1社ずつ手作り相手別に量産
問い合わせ返信
都度ゼロからテンプレ+即答
在庫データ整理
見るだけで半日要点が一覧に

※ 効果はイメージです。業務内容や進め方によって変わります。

この記事でわかること
  • 卸売・商社で生成AIが「できること」の全体像
  • すぐ効く4つのシナリオ(Before → After + プロンプト例)
  • 「問い合わせ自動応答のしくみ」までを作る順序
  • 作れる成果物と、1か月の導入ロードマップ

生成AIで「できること」全体像

やみくもに使うと「結局なにに使えるの?」で止まります。まずは3つの方向で整理すると、自社の当てはめ先が見えてきます。

A / 文章をつくる

提案・対応を量産

  • 相手別の提案資料・商品案内
  • 問い合わせメールの返信
  • 海外取引のメール翻訳
  • カタログ・仕様の説明文
B / 整理・分析する

大量の情報を活かす

  • 在庫・仕入れデータの要約
  • 欠品・異常値の洗い出し
  • 問い合わせ内容の分類・集計
C / 仕組みにする

くり返しを自動化

  • よくある問い合わせのFAQ応答
  • 提案文テンプレの自動生成
  • 定型返信のしくみ

すぐ効く4つの活用シナリオ

1同じ商品を、相手に“刺さる提案”に書き分ける

BEFORE提案資料は1社ずつ手作り。商品は同じでも、相手の業種に合わせて書き直すのが重労働。
AFTER「商品情報+相手の業種・課題」を渡すと、相手に響く切り口で提案文を生成。

できあがるもの:相手別の提案文・商品案内のテンプレ。提案数を一気に増やせます。

プロンプト例あなたは法人営業の担当です。次の商品を、下記の取引先に提案する文章にしてください。相手の業種で想定される課題に触れ、導入メリットを3点、最後に控えめな一言を添えてください。 --- 商品:(商品情報) 取引先:(業種・規模・想定課題)

2問い合わせの山を、“定型返信”でさばく

BEFORE毎日届く問い合わせに一件ずつ返信。担当によって質や速さがバラバラ。
AFTERよくある問い合わせを渡すと、丁寧な返信文の下書きとテンプレを用意。

できあがるもの:問い合わせ種別ごとの返信テンプレ集。新人でも一定品質・スピードで返せます。

プロンプト例次の問い合わせに対する返信メールの下書きを作ってください。丁寧でわかりやすく、不足情報があれば確認の質問を添えてください。あわせて、同種の問い合わせに使えるテンプレも作ってください。 --- (ここに問い合わせ本文を貼り付け)

3在庫・仕入れデータから、“危ない兆候”を拾う

BEFORE大量のデータを眺めるだけで時間が消え、欠品や滞留に気づくのが遅れる。
AFTERデータを貼り付けて「欠品リスク・滞留・異常値」を要約させる。

できあがるもの:注目すべき品目の一覧と気づきコメント。仕入れ判断のスピードが上がります。

4「よくある質問」に答える“受発注アシスタントAI”

BEFORE在庫・納期・仕様の問い合わせが繰り返し来て、対応が特定の人に集中。
AFTER自社の商品情報・FAQをもとに、よくある質問へ答える社内AIを用意。

できあがるもの:社内・取引先対応を助けるFAQ AI(Claude API)。研修の「Code」段階で作れます。

アイデアを“しくみ”にする順序(4ステップ)

いきなり大きなシステムを目指すと頓挫します。小さく触って、型にして、広げる——当社研修の Chat → Design → Cowork → Code というメソッドの順序で進めます。

01STEP 1 / CHAT

まず触る

1件の問い合わせや1社の提案をAIに渡して、下書きの精度を体感する。

02STEP 2 / DESIGN

型を決める

自社の提案フォーマットや返信テンプレを「型(プロンプト)」に固定する。

03STEP 3 / COWORK

量をこなす

複数社・複数問い合わせをまとめて処理。日々の運用に乗せる。

04STEP 4 / CODE

仕組みにする

Claude API で、FAQ自動応答や提案文の自動生成など“しくみ”に育てる。

実際に作れるもの(成果物の例)

TEMPLATE

相手別 提案文テンプレ

業種・課題に合わせて書き分けられる提案の型。

TEMPLATE

問い合わせ返信テンプレ集

種別ごとの返信を一定品質で。

REPORT

在庫リスク要約

データから注目品目を抽出するしくみ。

AI TOOL

受発注FAQ AI

在庫・納期・仕様に答える社内AI(Claude API)。

1か月で形にする導入ロードマップ

1週目1件で試す。提案1社・問い合わせ1件をAIに任せ、手応えを掴む。
2〜4週目型にする。提案・返信テンプレを固定し、日々の対応へ。
1〜3か月しくみへ。FAQ AIに育て、対応の属人化を解消して内製化。
注意価格・在庫・納期などの数字は、必ず自社の正データで確認してください。AIは文章・資料の下書き補助として使うのが安全です。

よくある失敗と、その回避策

同じ生成AIでも、使い方を少し外すと「思ったより効果が出ない」で終わってしまいます。先に“つまずきポイント”を知っておきましょう。

✕ 提案文をAIまかせにして、“どこかで見た文章”になる

→ 回避策:商品の強みや自社の言葉づかいを具体的に伝えるのがコツ。相手の業種・課題を添えるほど、刺さる提案になります。

✕ 在庫・価格の数字を、AIの出力のまま使う

→ 回避策:数字は必ず自社の正データで確認を。AIは文章・資料の下書き役と割り切り、数値の根拠は人が押さえましょう。

✕ 一人だけが使えて、社内に広がらない

→ 回避策:うまくいった使い方はテンプレと手順にして共有を。属人化させず「チームの道具」にすると、効果が何倍にもなります。

コピーして使える、プロンプト集

「何を入力すればいいか分からない」をなくす、すぐ試せる指示文です。( )の部分を自社の内容に差し替えるだけでOK。まずは1つ、コピーして試してみてください。

提案メールの下書き次の商品を、下記の取引先に紹介するメールにしてください。相手の業種の課題に触れ、メリットを3点添えてください。 --- 商品:( )/取引先:(業種・規模)
長い資料を要約次の資料を、社内共有用に300字以内で要約してください。重要な数字と結論を冒頭に置いてください。 --- (資料を貼り付け)
FAQ素案づくり次の問い合わせ履歴から、よくある質問と回答のFAQ素案を10件作ってください。 --- (問い合わせ履歴)

自社で続けていくために

ここまでの流れを一度きりで終わらせず社内で回すには、外注ではなく自社で使いこなせる状態(内製化)がカギです。進め方はAI内製化の進め方を、ツール選びはClaudeとChatGPTの違い・選び方を、人材育成の費用は助成金の活用もご覧ください。他の業種の例は業種別の生成AI活用にまとめています。

提案の量産から受発注FAQ AIまで、自分で作れる人材を育てる研修です。
研修ページを見る

まとめ

  • 卸売・商社は提案と問い合わせ対応で生成AIの効果が大きい。
  • まず提案の書き分けと返信テンプレから。型にしてFAQ AIへ。
  • Chat → Design → Cowork → Code の順で内製化できる。

よくある質問

商品点数が多くても使えますか?

商品ごとの説明文づくりや書き分けは、生成AIが特に得意な領域です。点数が多いほど効果が出ます。

取引先ごとの提案にも対応できますか?

相手の業種・規模・課題を伝えれば、それに合わせた提案文の下書きを作れます。

価格や在庫の数字は任せて平気ですか?

数字は必ず自社データで確認してください。AIは文章・資料の下書き補助です。

海外取引にも使えますか?

メールの翻訳や下書きに活用できます。最終確認は担当者が行う前提で使いましょう。

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