AIの基礎

生成AIプロンプトの基本。
効く指示文の「7つの型」

生成AI(Claude)に思い通りの答えを出してもらう指示文(プロンプト)の基本を、役割・目的・前提・形式・例示・制約・段階の「7つの型」で解説。ビジネス例とコピペできるプロンプトつきで、初心者が今日から使えます。

「生成AIに頼んでみたけど、なんだかピントのずれた答えが返ってくる」「同じことを聞いても、人によって全然いい結果が出る」——その差の正体は、才能でもセンスでもなく、指示文(プロンプト)の“型”を知っているかどうかです。じつは効くプロンプトには共通する要素があり、それを足し算するだけで答えの質はぐっと上がります。この記事では、初心者が今日から使える「7つの型」を、ビジネス例とコピペできるプロンプトつきで紹介します。

この記事でわかること
  • 効くプロンプトに共通する「7つの型」(役割・目的・前提・形式・例示・制約・段階)
  • 各型の意味と、すぐ真似できるビジネス例・プロンプト例
  • 初心者がつまずきやすい点と、その回避策
  • コピーしてそのまま使える、実務向けプロンプト集

プロンプトは「足し算」で良くなる

うまくいくプロンプトは、特別な呪文ではありません。「7つの型」を必要なだけ足していくだけ。まずは全体像を3つの方向でつかみましょう。

A / 立ち位置を決める

役割・目的・前提

  • AIに「誰として」答えさせるか
  • 「何のため」のアウトプットか
  • 判断材料になる「前提」を渡す
B / 出力を整える

形式・例示

  • 箇条書き・表など「形」を指定
  • 文字数・トーンをそろえる
  • お手本を「例」で見せる
C / 精度を上げる

制約・段階

  • やってほしくないことを伝える
  • 条件・禁止事項で脱線を防ぐ
  • 難しい依頼は「段階」に分ける

効く指示文の「7つの型」

ここからが本題です。7つを全部使う必要はありません。簡単な質問なら1〜2個、仕事の成果物がほしいときは多めに——という感覚で足していけばOKです。

1役割:AIに「立場」を与える

BEFORE「この文章を直して」→ 何を基準に直すのか曖昧で、当たり障りのない修正になる。
AFTER「あなたはベテランの営業担当です。顧客に響くように直して」→ 視点が定まり、出力が具体的に。

ポイント:「あなたは〇〇です」と立場を与えると、AIは知識や言葉づかいをその役割に寄せてくれます。専門性や読み手の目線が必要なときに効きます。

役割を与えるあなたは中小企業の経理を10年担当しているベテランです。経理初心者にもわかる言葉で、次の質問に答えてください。 --- 質問:( )

2目的:「何のため」を伝える

BEFORE「新商品の説明文を書いて」→ 誰に向けた、どんな目的の文かが分からず、ぼんやりした文に。
AFTER「展示会で初対面の来場者に興味を持ってもらう目的で」→ 狙いに合った訴求になる。

ポイント:同じ依頼でも、目的が変われば最適な答えは変わります。「何のために使う文章・資料なのか」を一言添えるだけで、的中率が上がります。

目的を伝える次の内容を、(誰)に(何のため)に伝える文章にしてください。読み手が(してほしい行動)を取りたくなるようにしてください。 --- 内容:( )

3前提:判断材料を先に渡す

BEFORE「うちに合う研修プランを提案して」→ 会社の状況を知らないAIが、一般論しか返せない。
AFTER「社員30名・製造業・ITが苦手な人が多い、という前提で」→ 自社事情に沿った提案に。

ポイント:人数・業種・現状・制約など、判断のもとになる情報を先に渡すと、答えが一気に“自分ごと”になります。ただし機密情報の扱いには注意(後述)。

前提を渡す次の前提をふまえて提案してください。 --- 前提:・業種( )・社員数( )・現状の課題( )・予算感( ) 依頼:( )

4形式:出力の「形」を指定する

BEFORE「比較して」→ 長い文章でだらだら返ってきて、結局どっちがいいのか分かりにくい。
AFTER「表で、メリット・デメリット・向いている人の3列で」→ そのまま資料に貼れる形に。

ポイント:「箇条書きで」「表で」「200字以内で」「やさしい口調で」など、出力の形・量・トーンを指定すると、使い回しやすい答えになります。

形式を指定する次のテーマについて、3つの観点で表にまとめてください。各セルは40字以内、最後に「おすすめ」を一言添えてください。 --- テーマ:( )

5例示:お手本を1つ見せる

BEFORE「うちらしいトーンで書いて」→ “らしさ”が伝わらず、平凡な文章になる。
AFTER「過去に好評だったこの投稿と同じトーンで(例を貼付)」→ 雰囲気を再現してくれる。

ポイント:言葉で説明しにくいニュアンスは、お手本を1つ見せるのが最短です。「この形式・この調子で」と例を添えると、AIは一気に当ててきます。

例を見せる次の【見本】と同じ形式・トーンで、別のテーマの文章を作ってください。 --- 【見本】(過去にうまくいった文章を貼る) 【新しいテーマ】( )

6制約:禁止・条件で脱線を防ぐ

BEFORE「商品紹介を書いて」→ 専門用語だらけ、誇大表現も混じって、そのまま使えない。
AFTER「専門用語は使わない/断定的な効果は書かない、という条件で」→ そのまま使える文に。

ポイント:「〇〇しないで」「〇〇は避けて」とやってほしくないことを伝えると、的外れな出力を減らせます。法令・社内ルール上のNGを先に渡すのも有効です。

制約を加える次の依頼に答えてください。ただし以下の条件を守ってください。 --- 条件:・専門用語は使わない・断定的な表現は避ける・300字以内 依頼:( )

7段階:難しい依頼は分けて頼む

BEFORE「企画書を全部作って」→ 情報が足りないまま、的外れな完成形が一発で返る。
AFTER「まず構成案だけ。OKを出したら本文へ」→ 途中で軌道修正でき、精度が上がる。

ポイント:大きな依頼は、「まず〇〇、次に△△」と段階に分けると失敗しにくくなります。途中で「ここを直して」と対話を重ねるのが、AI活用の本来の使い方です。

段階に分ける(作りたいもの)を作りたいです。いきなり完成形ではなく、まず構成案(見出しレベル)だけ提案してください。こちらがOKを出したら、本文を書いてもらいます。

7つの型を、無理なく身につける順番

一度に全部覚えようとしなくて大丈夫。小さく試して、効いた型から増やすのが近道です。

01STEP 1

まず短く頼んでみる

難しく考えず、ふだんの言葉で1つ質問。AIの返し方の感覚をつかみます。

02STEP 2

型を1つだけ足す

物足りなければ「役割」か「形式」を1つ追加。変化の大きさを体感します。

03STEP 3

効いた指示を保存する

うまくいった頼み方をメモして「自分の型」に。次から使い回せます。

04STEP 4

チームで共有する

効くプロンプトを社内で共有。誰でも同じ品質で使えるようになります。

よくある失敗と、その回避策

✕ 指示があいまいで、的外れな答えが返る

→ 回避策:「いい感じに」「ちゃんと」などあいまいな言葉を、具体に置き換える。誰に・何のため・どんな形で、を一言ずつ足すだけで激変します。

✕ 一度の指示で完璧を求めてしまう

→ 回避策:AIは対話で育てるもの。最初の答えは“たたき台”と捉え、「ここをこう直して」と段階的に修正すると、狙いに近づきます。

✕ 機密情報や個人情報をそのまま入力してしまう

→ 回避策:固有の数値・氏名・取引先名などは伏せる・一般化する。前提として渡したい情報も、社内ルールで入力可否を先に取り決めておきましょう。

コピーして使える、プロンプト集

( )を自社の内容に差し替えるだけ。7つの型を組み合わせた“すぐ効く”テンプレートです。

資料のたたき台を作る(役割+目的+形式)あなたは経験豊富な企画担当です。(誰)に(何)を伝える資料のたたき台を、見出し+箇条書きで作ってください。専門用語は避けてください。 --- テーマ:( )
文章を整える(前提+制約)次の文章を、(読み手)に向けて読みやすく整えてください。意味は変えず、1文を短く、200字以内、やわらかい口調で。 --- 文章:( )
アイデアを広げる(目的+段階)(テーマ)について、まずアイデアを10個、短い箇条書きで出してください。そのあと、こちらが選んだものだけ詳しく深掘りします。 --- テーマ:( )
型を覚えるだけで終わらせず、自社で使いこなす力へ。
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まとめ

  • 効くプロンプトは才能ではなく「7つの型」の足し算。役割・目的・前提・形式・例示・制約・段階。
  • 全部使う必要はなし。まず短く頼み、物足りなければ型を1つずつ足すのがコツ。
  • 一発で完璧を狙わず対話で育てる。機密・個人情報の入力ルールは先に決めておく。

型を覚えたら、まずは身近な作業で試すのが近道。Excel作業を生成AIで自動化する方法で具体例を、社内に広げる進め方はAI内製化の進め方を、ツール選びはClaudeとChatGPTの違いをご覧ください。

よくある質問

プロンプトって、難しい呪文を覚えるんですか?

いいえ。難しい専門用語や決まり文句を覚える必要はありません。「誰に・何のために・どんな形で答えてほしいか」を日本語で具体的に伝えるだけです。この記事の7つの型は、その「伝え方」を整理したものです。

短い指示と長い指示、どちらがいいですか?

目的によります。簡単な質問は短くてかまいません。仕事で使える成果物がほしいときは、役割・目的・前提・形式などを足すほど精度が上がります。まず短く頼み、物足りなければ型を1つずつ足していくのがおすすめです。

会社の情報を前提として入れても大丈夫ですか?

前提を伝えると精度は上がりますが、社外秘や個人情報は社内ルールに沿って扱ってください。固有の数値や氏名は伏せる、一般化して伝えるなどの工夫をし、機密情報の入力可否は事前に取り決めておくと安全です。

同じ型はClaudeでもChatGPTでも使えますか?

基本的な考え方は共通で、どちらでも有効です。ツールごとに細かな得意・不得意はありますが、まずは型を身につけることが先決です。ツールの違いや選び方は別記事でも解説しています。

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