業種別活用

士業の生成AI活用。
報告書・資料作成を効率化

会計事務所・税理士・社労士などの士業で生成AI(Claude)を業務に活かす方法を解説。顧問報告書、資料整形、制度改正の要約などの活用シーンと、始め方・注意点をまとめました。

専門業務に集中したいのに、資料の整形・報告書づくり・顧客への説明に時間が削られる——会計事務所・税理士・社労士などの士業は、“周辺業務”の重さが悩みです。生成AI(Claude など)は、その下準備や文書づくりを肩代わりし、専門家が判断に専念できる環境をつくります。

この記事では、士業で生成AIを使って「何ができて」「どんなものが作れて」「どんな順序で作るか」を、プロンプト例つきで具体的に紹介します。

具体例に入る前に、まずは「どれくらい変わるのか」のイメージから。

顧問報告書
毎月ゼロからドラフトが即
制度改正の周知
かみ砕きに苦労顧客向けに即変換
問い合わせ一次回答
都度文面に悩むテンプレで即答

※ 効果はイメージです。業務内容や進め方によって変わります。

この記事でわかること
  • 士業で生成AIが「できること」の全体像
  • すぐ効く4つのシナリオ(Before → After + プロンプト例)
  • 「顧客向けFAQのしくみ」までを作る順序
  • 作れる成果物と、1か月の導入ロードマップ

生成AIで「できること」全体像

やみくもに使うと「結局なにに使えるの?」で止まります。まずは3つの方向で整理すると、自社の当てはめ先が見えてきます。

A / 文章をつくる

報告・資料を肩代わり

  • 顧問報告書・所見のドラフト
  • 制度改正のお知らせ文
  • 問い合わせへの一次回答
  • セミナー資料・事務所だより
B / 整理・分析する

資料を活かす

  • 資料の整形・仕分けの下準備
  • 長い通達・規定の要約
  • 相談内容の論点整理
C / 仕組みにする

くり返しを自動化

  • 顧客向けFAQへの応答
  • 報告書テンプレの自動生成
  • 定型回答のしくみ

すぐ効く4つの活用シナリオ

1月次の“顧問報告書”を、ドラフトから始める

BEFORE毎月、顧問先ごとに報告書を一から作成。専門業務を圧迫する。
AFTER数値メモと前月の論点を渡すと、報告書・所見のドラフトを生成。

できあがるもの:顧問報告書のドラフト。専門家は確認・加筆に集中できます。

プロンプト例あなたは会計事務所の担当者です。次の数値メモと前月の論点をもとに、顧問先向けの月次報告書ドラフトを作成してください。見出しは「今月のポイント/数値の概況/注意事項/来月に向けて」。専門的な最終判断は担当者が行う前提で、丁寧でわかりやすい文体に。 --- (数値メモ・論点を貼り付け)

2制度改正を、“顧客が分かる言葉”で届ける

BEFORE法改正のたびに、顧客向けにかみ砕いて説明する文章づくりに苦労。
AFTER改正のポイントを渡すと、顧客向けのやさしいお知らせ文に変換。

できあがるもの:制度改正のお知らせ・ニュースレター。顧客満足と差別化につながります。

プロンプト例次の制度改正のポイントを、中小企業の経営者向けにわかりやすく説明するお知らせ文にしてください。専門用語は補足を付け、「何が変わるか/いつから/何をすべきか」を明確に。 --- (改正のポイントを貼り付け)

3長い通達・規定を、“論点”に要約する

BEFORE長文の通達や規定を読み込み、要点を整理するのに時間がかかる。
AFTER本文を渡すと、要点・実務上の注意点・確認事項を整理。

できあがるもの:論点メモ。確認の入口が速くなります(最終判断は専門家が実施)。

4「よくある相談」に答える“事務所のFAQ AI”

BEFORE同じような相談・問い合わせが繰り返し寄せられる。
AFTER事務所のFAQや方針をもとに、一次回答を返すAIを用意。

できあがるもの:顧客対応を助けるFAQ AI(Claude API)。研修の「Code」段階で作れます。

アイデアを“しくみ”にする順序(4ステップ)

いきなり大きなシステムを目指すと頓挫します。小さく触って、型にして、広げる——当社研修の Chat → Design → Cowork → Code というメソッドの順序で進めます。

01STEP 1 / CHAT

まず触る

1社ぶんの報告書ドラフトや1件の改正お知らせをAIに作らせ、精度を体感する。

02STEP 2 / DESIGN

型を決める

事務所の報告フォーマット・文体を「型(プロンプト)」に固定する。

03STEP 3 / COWORK

量をこなす

複数顧問先の報告・お知らせをまとめて回す運用にする。

04STEP 4 / CODE

仕組みにする

Claude API で、顧客向けFAQや報告書の自動生成など“しくみ”に育てる。

実際に作れるもの(成果物の例)

TEMPLATE

顧問報告書テンプレ

数値メモからドラフトが作れる型。

DOC

制度改正お知らせ集

顧客向けのやさしい解説文の型。

MEMO

通達・規定の論点メモ

長文を要点に整理するしくみ。

AI TOOL

事務所FAQ AI

よくある相談に一次回答するAI(Claude API)。

1か月で形にする導入ロードマップ

1週目1社で試す。報告書ドラフトや改正お知らせをAIで作る。
2〜4週目型にする。事務所の文体・フォーマットを固定し、月次業務へ。
1〜3か月しくみへ。顧客向けFAQ AIに育て、対応を内製化する。
注意税務・労務・法務の最終的な判断と確認は、必ず有資格者が行ってください。顧客情報・個人情報は、固有名を伏せるなど社内ルールに沿って取り扱い、AIには社外秘を入力しない運用が安全です。

よくある失敗と、その回避策

同じ生成AIでも、使い方を少し外すと「思ったより効果が出ない」で終わってしまいます。先に“つまずきポイント”を知っておきましょう。

✕ AIのドラフトを確認せずに、顧客へ出す

→ 回避策:税務・労務・法務の判断は必ず有資格者が確認を。AIは下準備の相棒で、専門家の最終チェックがあって初めて品質が保てます。

✕ 顧客情報を、そのまま入力してしまう

→ 回避策:固有名や社外秘は伏せて使うのが原則。社内ルールを先に決めておくと、安心して活用できます。

✕ 事務所内で、一人しか使えない

→ 回避策:うまくいった指示文をテンプレ化して共有を。事務所全体の生産性が上がり、繁忙期の負担も平準化できます。

コピーして使える、プロンプト集

「何を入力すればいいか分からない」をなくす、すぐ試せる指示文です。( )の部分を自社の内容に差し替えるだけでOK。まずは1つ、コピーして試してみてください。

お知らせ文の作成次の制度改正を、顧客向けのお知らせ文にしてください。「何が・いつから・何をすべきか」を明確にしてください。 --- (改正のポイント)
規定の要約次の通達・規定を、実務上の要点と注意点に絞って要約してください。最終判断は専門家が行う前提で。 --- (本文)
相談メモの整理次の相談メモを、論点・確認事項・次のアクションに整理してください。固有名は伏せたまま。 --- (メモ)

自社で続けていくために

ここまでの流れを一度きりで終わらせず社内で回すには、外注ではなく自社で使いこなせる状態(内製化)がカギです。進め方はAI内製化の進め方を、ツール選びはClaudeとChatGPTの違い・選び方を、人材育成の費用は助成金の活用もご覧ください。他の業種の例は業種別の生成AI活用にまとめています。

報告書ドラフトから事務所FAQ AIまで、自分で作れる人材を育てる研修です。
研修ページを見る

まとめ

  • 士業は報告・資料・説明の周辺業務で効果が大きい。
  • まず報告書ドラフトと改正お知らせから。型にしてFAQ AIへ。
  • Chat → Design → Cowork → Code の順で内製化できる。

よくある質問

専門性の高い判断も任せられますか?

最終的な判断・確認は必ず有資格者が行ってください。AIは下準備や文書化の補助として使います。

顧客情報を入力しても大丈夫ですか?

個人情報・機密情報は固有名を伏せるなどルールを決めて。社外秘は入力しない運用が安全です。

報告書の質は保てますか?

ドラフトを土台に専門家が加筆・確認する流れにすれば、質を保ちつつ時間を短縮できます。

事務所が小規模でも効果がありますか?

人手の限られる事務所ほど、周辺業務の時短効果が大きく出ます。

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